傾聴ボランティアの活動後、カウンセラーの先生と自分の関わり方を振り返る機会がありました。
言葉による喪失体験(相手からの言葉によって深く傷ついた体験)をされた方のお話を伺った際、私は「そのときの気持ちを安心して話していただけたら」という思いを持って関わっていました。
実際には、その出来事については話してくださいましたが、そのときの気持ちまで十分にお話しいただくことはできませんでした。
そこで先生に「どのように関わればよかったのでしょうか」と相談したところ、
「まず、その出来事を話せたこと自体が大切だったのではないでしょうか」
という言葉をいただきました。
さらに、
「『そのとき、どんな言葉をかけてほしかったですか?』と尋ねてみるのも、一つの方法かもしれませんね。」
というアドバイスもいただきました。
たしかに、このような問いかけであれば、そのとき本当はどのような言葉をかけてもらいたかったのかを振り返るきっかけになるかもしれません。そして、その流れの中で、自然と当時の気持ちについて話される方もいるのではないかと感じました。
もちろん、このような問いかけがすべての方に合うわけではありません。話したい内容や話せるタイミングは人それぞれであり、そのときの心身の状態によっても異なると思います。
一方で、今回の振り返りを通して、私自身にも大きな気づきがありました。
私は「気持ちを話していただきたい」という思いが強かったために、あいづちや質問が「気持ちを引き出すこと」に少し偏っていたのかもしれません。
その結果、ご本人が本当に話したかったことは何だったのか、あるいはまだその気持ちを言葉にできる段階だったのかという視点まで、十分に意識できていなかった可能性があります。
私は「相手のためになれば」という思いで関わっていたつもりでした。しかし振り返ってみると、その思いが少しだけ、自分の理想とする関わり方に向いていたのかもしれないと感じました。
今回の経験を通してあらためて感じたのは、話していただく内容を決めるのではなく、その方が今話せることを大切にする姿勢の重要性です。
傾聴では、気持ちを言葉にすることが、その方の整理につながる場合もあると言われています。一方で、それと同じくらい、その方が安心して、自分のペースで話せることも大切なのではないかと、今回の経験を通して感じました。
私はまだ学びの途中です。
だからこそ、これからも「どんな質問をするか」だけではなく、「この方は今、何を話したいのだろう」「どこまでなら安心して話せるのだろう」という視点を忘れず、一人ひとりと丁寧に向き合っていきたいと思います。
カウンセラーの先生に今まで読んだ本でおすすめの本は?と質問したらこれがいいと言われていました。