傾聴の場では、相談者が同じ内容を何度も繰り返すことがあります。
話すたびに結論はいつも同じ——それでもまた同じ話に戻ってしまう。
その様子を見ながら、私はふと気づきました。
相談者は、結論を「行動に移すこと」が怖いからこそ、同じ話を繰り返してしまうのではないか、と。
考えてみれば、私自身にも覚えがあります。
頭では結論が出ていても、いざ一歩踏み出そうとすると、勇気が必要で足がすくむことがあります。
「分かっているのに動けない」という状態は、誰にでも起こり得るのだと思いました。
相談者の繰り返される言葉の中には、
“本当は動きたいけれど怖い”
という心の叫びが隠れているのかもしれません。